ここ4日間ほどバイトもせずに酒を飲んではアニメを見るという完全無欠の廃人っぷりを発揮していた。アニメ『BLACK LAGOON』に出てくるロベルタ(ロザリタ・チスネロス)に代表される凶悪なテロリスト達もこういう生活してれば世界で戦争とか起きないのに。ていうか『BLACK LAGOON』見た人はロベルタの不死身っぷりに驚愕したはず! 壁にめり込んでんのに無傷でピンピンだからね。あれは多分ロベルタの皮をかぶった範馬勇次郎。あと髪型とか全然乱れてないし。あれはたぶんポマード。

戦争の根絶と核兵器の廃止を常日頃からモットーとしている僕は国連の色が黒い人に連絡しようとして連絡先をググってみた。しかし探せど探せど個人的な連絡先が見つからなかったので、諦めて白人がスッポンポンで関節の稼働域をフルに駆使したポージングで見つめてくる海外のポルノサイトにアクセス。モザイク無しのモロ動画を存分に楽しんでいた。

しかし!

現在諸般の事情によりオナ禁している僕にとって、いくら洋モノだからといえど! いくらパイパン率が9割を超えていたとしても! それらは女の裸には違いない! 煩悩だらけで生殺しじゃねーかと気づき、腹も減ってきたのでメシでも食うことにした。ポルノ見ててメシ食いたくなるなんてクズ過ぎる。宇宙の法則とかマジ無視してるじゃんそれ。あまりにクズ過ぎてクズ死しそう。

このようにバイトが無い日はこのように断固たる決意で自宅警備ことお留守番に没頭している。しかし一歩も外に出なければ食料が底を尽きるのは必然。こうしたときのために非常食的な役割でお菓子とかラーメンとかを地震に怯えるジジイの勢いで常備しているのだけど、ハッキリ言って鶏のモモ肉が食いたかった。ていうかお菓子とかあんまり好きじゃないし。バレンタインでもらったチョコとか全部捨てますからね。

「義理チョコなんて小額投資で一ヶ月後に何倍もの不当な利益を得ようとする脅迫じゃねーか!! この外道どもが!!マキビシ!!(それらは全て自分で購入したチロルチョコだった)」

って叫びながら部屋の窓から鬼の形相で捨てますからね。まぁここ何年かはもらってないからあくまで予定ですけど。わっはっはっはっは!!!!

とにかくどうしても鶏のモモ肉が食いたい。このままじゃ勢い余って通りすがりの女子高生のパンツ中に手とか入れちゃいそうだったので、そうなる前に夜も遅いけど仕方なく買いにいくことに。

家から歩いて3分でダイエーがある。家とダイエーを挟む障害物といえば国道ぐらいだ。その国道もたいしてでかくない。片側2車線、そのうち1車線は路駐の嵐によって実質1車線しか機能していない。路上駐車を取り締まるオッサン達は何やってんだよ。今頃休憩室とか移動中の車のカーナビとかで熟女モノのエロDVDとか見て、黒ずんだ乳輪について率直な意見を交わしているに違いない。そうに違いない。

そんなキンタマ片方潰れたチンコみたいな国道をまたいだ先にあるダイエーで僕はいつも買い物をする。信号にひっかからなければ2分のところにあるし、23時までやってるので非常に助かる。マジサンキューダイエー! M・S・D! かといってダイエーに就職は絶対にしたくないけどね。あ、就職活動全くやってねー。ま、いっか。なんとかなんべ。

ダイエーに入って一直線に食料品売り場に向かう。その一角に構える、資本主義に飼いならされた豚野郎どもの餌ブースこと肉売り場に行って驚愕した。高校のときに学校の階段の下で女生徒のパンツを露骨に見てたら母親より年上のババア教師のらくだ色の異様にジャンボサイズのパンツを見てしまった瞬間くらい驚愕した。ていうか一種のトラウマだよ、あれは。

池田光子(教師の名)ことみっちゃんの話はどうでもいい。あろうことか鳥のモモ肉が全く無いのだ。事態が飲み込めず、肉売り場の前で呆然と立ち尽くすしかなかった。マジ哀れ。これがジャニーズの岡田准一とか滝沢秀明だったらそれも絵になるんだろうけど、汚い身なりで脱獄犯みたいな顔した男が食肉売り場で何も無い陳列棚をジーっと見ているもんだからキモすぎる。周囲からは

「きっとあの人は幻覚を見ているんだ。」
「幻覚で肉を見てご飯食べたつもりになってるに違いない。」
「ラッシュ時に起きた電車の遅延による混雑を利用して痴漢してそう。」

とか思われていたことだろう。鶏肉以外の肉、もとい豚の餌は買っても仕方ないし、食いたくもなかったので脊髄反射的に酒売り場に一直線。「ダイエーが鶏肉を切らしてたから」という理不尽でエゴイズム丸出しの似非な正当性をジャイアンばりに利用して3000円くらいの安いシングルモルトウイスキーを購入した。なぜなら僕は最近アダルトサイト巡り以上にウイスキーにハマっているのだ。

ロックアイスを2つほど入れ、金色に輝く液体を注いでいく。AV男優がAV女優さんにローションをかけるときのように哲学的に注いでいく。氷の表面がうっすら溶けてウイスキーと混じり合う。静かな空間の中、二つの液体はまるで洋モノのポルノにおける挿入シーンのように情熱的に混じり合う。オンザロックの出来上がりだ。一口飲む。強いアルコールが喉を駆け抜け、少し遅れて果実の甘い香りが口いっぱいに広がる。ただし、粘着性のある甘さではない。それはとてもさっぱりとしている。それはまるで行為が終わり、玄関ドアの前で金を受け取った後のコールガールのように。

しばらくして氷が徐々に溶けることで今のバランスを保てなくなり、崩れてグラスにあたる音が暗い部屋に響く。やっぱり平和ボケしている(再びポルノを見ながら)。