アキとカオル

明日は授業は無いのだが、ワケあって朝から学校に行かなくてはいけない。にも関わらず、外気に反比例するかのようにむさくるしい男根2名が泊り込んでいる。右に男根、左に男根と見渡す限り男根のみが存在し、支配するカオティックワールドが僕の部屋に禍々しきオーラとともに展開されている。そろそろ床につかないと明日の朝起きれる気がしない(そもそもいつ寝ても学校があると起きれる気など皆無だが)。

しかし、僕の睡眠スペースなど1ミリも存在しない。野比のび太の家に居候しているネコ型ロボットでさえ、謙虚に押入れで寝ているというのにこのアホチンポどもは布団とベッドを完全に占拠している。こいつらは人の皮をかぶったジャイアンブタゴリラに違いない。

でも、その片方の彼は家に2つもスズメバチの巣ができてしまったという不幸の持ち主だし、もう1人の彼は本当に好きな女の子に

「やぁ、元気? 今度遊ぼうよ!」

という内容のメールを送信したところ、

「元気だけど」

と返信された不幸の持ち主である。その淡白過ぎる5文字には「誰がおめえと遊ぶか、死ね」に限りなく近い意が込められていることは明白であった。

そんな、環境や人間の温もりを理不尽に奪われた彼ら。そんな彼らから布団の温もりまで奪うことなんて僕には出来ない。机に突っ伏して寝ます。おやすみなさい。